『アルスラーン戦記から見たペルシア入門』
(東一旭 著)
7月3日から第二期のテレビアニメが公開された、 人気冒険小説『アルスラーン戦記』(全15話刊)。
田中芳樹氏の原作が荒川弘氏によってマンガ化され、さらに読者が広がっているようです。
その世界観のもとになった古代ペルシアとは、どのような世界だったのでしょうか。
アルスラーン戦記のストーリーを切り口にして、「そもそも、ペルシアってどんな世界なんだろう?」という疑問に迫ります。
アルスラーン戦記にハマった方と、中東に興味ある方のために出版しました。カラー挿絵9枚と図表つきで388円です。
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【アルスラーン戦記ってどんな話なの?】
『アルスラーン戦記』は、古代ペルシャ帝国をモデルにした「パルス王国」を中心に物語が展開していきます。
「大陸公路」の中心で栄えるパルス王国の王太子アルスラーンは14歳で初陣を迎えましたが、勇猛な国王アンドラゴラス三世は、この戦いで謎の仮面騎士ヒルメスに操られた隣国のルシタニア軍に敗れ、国を失ってしまいます。敗戦の原因は、将軍カーラーンの裏切りでした。
アルスラーンは最強の武将ダリューンとともに逃れ、軍師ナルサスとその徒弟エラム、美貌の女神官ファランギース、流浪の楽士ギーヴの6名で、追撃するカーラーンとヒルメス一党との戦いを繰り返します。そして、辺境の城を守る二刀使いの将軍キシュワードの居城に逃れ、王国の奪回を企てるのです。
第一部では、パルス王国を取り戻すまでの話が描かれ、第二部では、ペルシャの英雄伝説『王書』(シャー・ナーメ)に出てくる蛇王ザッハークが甦ります。この敵役は両肩から生えた蛇に人間の脳を食べさせるという、凶暴極まりない魔王です。登場人物の名前は、『王書』からとられているものが多く、キャラの設定は中国の『三国志』などを参考にしているようです。ダリューンは趙雲役、ナルサスは孔明役といったところでしょうか。
『アルスラーン戦記から見たペルシア入門』では、物語をわかりやすくするために地図を掲載しています。
【『アルスラーン戦記』を切り口に「ペルシア」の実像に迫る】
『「アラビアとペルシアって、何が違うの?」
『アルスラーン戦記から見たペルシア入門』では、意外と分からないままでいる疑問点に斬り込んでいます。
そして、『アルスラーン戦記』の発想源となった『王書』(シャー・ナーメ』を紹介してみました。
アルスラーン戦記の悪役「蛇王ザッハーク」の正体とは?
主人公アルスラーンのモデルとは?
中東における英雄の実像とは?
アラブ人とペルシア人の因縁の対決とは?
アルスラーン戦記のストーリーを参考に、日本人が知らないペルシアの姿を探ります。
【目次】
まえがき
第1章 アルスラーン戦記とペルシア世界
1、パルス王国の名の由来とは?
2、ペルシア人とアラブ人の違いとは?
3、『アルスラーン戦記』に出てくる「神様」のモデルは何?
第2章 アルスラーン戦記と『王書』(シャー・ナーメ)
1、「聖王」と「蛇王」の素顔
2、「蛇王」と現代の「独裁者」、どっちが怖い?
3、「善悪の戦い」と「骨肉の争い」
4、英雄ロスタムの悲劇
5、「解放王」のモデルは誰?
6、「血統なしの王様」はありうるのか?
7、ペルシアとアラブの宿命の対決、ふたたび。